歯科材料・器械
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原著
2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレートを一成分とする接着性レジンセメントについて
木下 亨永田 勝久中林 宣男
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1988 年 7 巻 3 号 p. 471-477

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抄録
HPPMとDEGDMAあるいはTEGDMAを混合したモノマーを液成分に, TMPTフィラーを粉成分に用いた接着性レジンセメントを試作し, そのモノマー組成(重量比)変えて機械的性質と牛歯への接着性を検討した. 粉液比は重量比で1 : 1とし, HPPM-TEGDMAを4 : 6の組成で混合したモノマーを用いると良好な機械的性質が得られた. 硬化時間は5分, 圧縮強さは2, 000 kgf/cm2, 圧縮引張強さは360 kgf/cm2となった. またモノマー溶出量も最も小さくなり, 65%りん酸水溶液で処理した牛歯エナメル質に対する引張接着力は42 kgf/cm2であった. しかし被膜厚さは51.7 μmと厚く, 牛歯象牙質に対する引張接着強さも低いため改良の必要があった.
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© 1988 一般社団法人 日本歯科理工学会
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