日本プライマリ・ケア連合学会誌
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原著(研究)
へき地拠点病院における多職種の共感性とバーンアウトの検討:単施設横断研究
田島 幸治東 丈北 綾子下山 由美多田 治代西村 安司向林 知津出口 久暢柳本 立太栁岡 公彦
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2025 年 48 巻 3 号 p. 90-98

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抄録

目的:へき地拠点病院の多職種を対象に共感性とバーンアウトの関係性を検討する.方法:単施設横断研究.対象は2024年11月1日から30日の間,当院に勤務する全職員263名とした.共感性は日本語版対人反応性指標(IRI)を,バーンアウトは日本語版バーンアウト・アセスメント尺度(BAT-J)にて評価した.結果:回答者136名(回答率51.7%)のうち123名を解析対象とした.対象者の平均専門職経験年数は18.6年(±11.0年),IRI平均値は87.3(±11.2),BAT-J平均値は79.1(±17.7)であった.IRIとBAT-Jの間に弱い正の相関が認められた.職種間では,看護師がセラピストおよび技師と比較して有意に高いBAT-Jスコアを示したが,IRIは有意差を認めなかった.結論:共感性は職種間で差は認めなかった.バーンアウトは看護師のリスクが高く,セラピストは低いことが示唆された.

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