2026 年 49 巻 2 号 p. 57-66
目的:急性期病院の高齢患者を対象に住民ボランティアによるせん妄・認知症ケアの効果を検証した.
方法:対象は70歳以上で,せん妄リスク評価でリスクあり,または精神科リエゾンチームにせん妄・認知症で相談された者とした.病棟単位で介入群と通常ケア群に割り付け,2群並行群間非ランダム化比較試験を行った.交絡因子は傾向スコア逆確率重み付け法で調整し,病棟クラスター性を考慮し解析した.
結果:介入群89名,対照群113名を解析した.傾向スコアによる調整後,せん妄発症割合は両群間で有意差が認められなかったが(p=0.31),せん妄寛解割合は介入群で有意に高かった(99%vs79%,p<0.001).在院日数は短縮し(17.6日vs 26.9日),入院中に開始した抗精神病薬は,退院時までに介入群で有意に中止されていた(p=0.03).
結論:住民ボランティアによるケアは高齢患者の回復促進に寄与する可能性がある.