抄録
工場の移転による土地利用の転換や建築基準法の規制緩和によって住宅開発用の用地が増えたことで、高層マンションの供給が増え、それにあわせてマンションに居住する子育て世帯も増加した。一方でマンション供給の多様化による出生力の変化については議論されていないことから、本研究では川崎市南部地域を対象にして、マンション集積地における出生力の特徴と経年変化による出生力の上昇要因を居住環境との関係性から検討した。 国勢調査と不動産関係のデータを用いて調査対象地を選定した上で、出生力として6歳未満世帯のいる世帯の平均子ども数を地区ごとに算出し、それぞれの特徴について考察した。平均子ども数が上昇した地区の特徴として子育て世帯が普段利用する保育・買い物・病院等の生活関連施設の近接性と施設の多さが平均子ども数に大きく影響していることから、出生力向上のために生活施設全般の充実化が求められることが明らかとなった。