日本地球化学会年会要旨集
2003年度日本地球化学会第50回年会講演要旨集
セッションID: 1P30
会議情報

有機物
酸性降下物による森林土壌の劣化の指標となりうる有機分子に関する研究
*安田 朝子西村 弥亜綱島 直哉竹中 千里佐久川 弘
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
 これ迄、我々の研究室において、酸性降下物が森林衰退の原因と考えられる岐阜県の乗鞍岳と神奈川県の桧洞丸を対象に酸性降下物による土壌劣化の度合いを、バクテリアと糸状菌起源の指標有機分子を使って、示しうる可能性が示唆されてきた。 本研究では、その可能性が、人工的に酸性物質を散布する暴露実験において確認されうるか否かを検討した。その結果、次の事が、解った。  1.暴露実験において、上記のフィルドから得  られた可能性が確認され た。  2.暴露実験から、土壌劣化の度合いを示しう  る新たな指標有機分子として、バクテリア  起源の4種脂肪酸(i16:0、10Me16:0、16:1  ω7、18:1ω7)と糸状菌起源の3種脂肪酸   (16:1ω5、18:2ω6、20:2ω6、20:3ω6)、  及び2種Sterol、24-Methylcholesta- 5,7-dien-3β-ol、24-Ethylcholesta- 5,7,22-trien-3β-olの有望性が示唆され た。
著者関連情報
© 2003 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top