主催: 日本地球化学会
共催: 日本化学会
炭素質隕石を初めとする始源的隕石は太陽系初期に形成された。これら隕石中には太陽系形成以前に存在した恒星の放出物から形成された微粒子が太陽系形成時の加熱による蒸発,溶融をのがれ,それら隕石中にごく少量含まれている.これらは一般にプレソーラーグレインとよばれる。 従来プレソーラーグレインの分離回収にはシカゴ大学のグループが開発した酸を用いて隕石を分解する方法が広く用いられている(Amari et al., 1994).シカゴグループの方法はシリケイト成分をフッ酸を用いて除去し,その残査からプレソーラーグレインを見つけ出す方法である.現在までに報告されているプレソーラーグレインのほとんどがこの方法で分離,回収された物である.本研究ではNaOHを用いた岩石融解法(Chan et al., 1983)を用いて炭素質コンドライト中のシリケイト成分を融解し,その残渣を同位体分析しプレソーラーグレインを分離する方法の開発を行った.異なった方法でシリケイト成分を除去することにより,今までの結果を独立に検証することができ,また新しい組成や形状のプレソーラーグレインを発見することが期待できる.