日本地球化学会年会要旨集
2004年度日本地球化学会第51回年会講演要旨集
セッションID: 1B07
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陸水
シリア古代パルミラ人と高フッ素症
*吉村 和久山本 綾子中橋 孝博西藤 清秀
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抄録
 シリアのシルクロード最西端のオアシス都市パルミラにおいて地下墳墓から見出された多数の人骨と歯には、高フッ素症の兆候が認められた。冬季に地中海からの水蒸気がレバノン山脈に雨をもたらし、それが地下水となってパルミラで湧出しオアシスをつくる。乾燥地域であるパルミラでは、水の蒸発に伴い溶存成分が濃縮される。パルミラ地域のカナートと、湧泉、浅井戸、深井戸あわせて13の天然水試料について分析を行ったところ、この地域に石灰岩が分布するために、カルシウムイオン濃度が高かった。また、フッ化物イオン濃度は0.3から3.0 ppmであり、ホタル石の溶解平衡によりフッ化物イオン濃度が制御受けていることがわかった。今から約二千年前においても、古代パルミラの人たちは3.0 ppmを超えることはないが、高フッ素症が発症するようなフッ素高濃度の水を飲用としていたものと推定される。古代パルミラ人の歯のフッ素濃度についても議論する。
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© 2004 日本地球化学会
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