抄録
水の同位体比は地球科学をはじめ多くの分野で利用されている。しかし、もっとも汎用的に利用されている平衡法による同位体比測定には数ミリリットル(液体)の水が必要であり、水蒸気、植物体の水分など必要試料量を採取することが困難なものも多数存在する。これまでは、ミリリットル以下の試料量を測定する場合には、水と平衡ガスの同位体交換による補正が必要なため、真空ラインでの作業が要求された。本研究では、必要試料量の減少が及ぼす誤差を検討し、一定の条件下において複数の標準試料を用いれば、マイクロリットルレベルの測定も可能であることに注目し、実験を行った。現在までに、50マイクロリットルの単一水試料での測定が可能であることを確認した。本測定法には、1,少量の水でも簡易に同一試料での水素・酸素測定が可能2,広く利用されている自動化された平衡装置が利用可能、という長所がある。