抄録
本研究では、共生褐虫藻の光合成活性に関わる光強度の変化とサンゴ骨格の成長および炭素・酸素同位体比の変動の関係を検討するため、光量および水温を一定にし、光量を変えて飼育したハマサンゴについて解析した。
その結果、それぞれのサンゴ群体の生長軸に沿う骨格の炭素・酸素同位体比変動に関しては、両者が正相関関係を示した。このことはMcConnaughey (1989)の報告にあるkinetic isotope effectsによる炭素・酸素同位体比変動を反映しているものと考えられる。つまり、飼育期間中は光強度と水温は一定に保たれていたため、metabolic isotope effectsによる炭素同位体比変動がほぼ消失し、代わりにkinetic isotope effectsによる炭素・酸素同位体比変動だけが顕在化した結果と解釈できる。