日本地球化学会年会要旨集
2005年度日本地球化学会第52回年会講演要旨集
セッションID: 1B16
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海洋
海洋中沈降陸起源粒子の粒径分布とLa/Yb、Th/Sc比:陸起源物質の鉛直、水平輸送過程解明のための新しい試み
*前田 亘宏乗木 新一郎成田 尚史
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抄録
 西部北太平洋における、陸起源粒子の起源と輸送過程を明らかにするため、2002年から2004年にかけて、Sta. KNOT(44°N, 155°E、水深 5320m)にセジメントトラップを設置し、沈降粒子を捕集して、粒径分布,希土類元素, Th とSc を測定した。その結果、強い黄砂が観測された(大気からのダストの降下があった)年では、陸起源粒子の粒径分布は3_-_4 mmと10 mm付近に極大を示した。そこで、粒径分布の変曲点で、大きい陸起源粒子と小さい陸起源粒子に分けた。小さい陸起源粒子は深度と共に増加した。このことから、小さい陸起源粒子は水平的に移動してきた粒子であると考えられる。化学成分の結果から春季の大きい陸起源粒子は黄砂起源、それ以外の季節ではクリルカムチャッカ起源の粒子であることが示唆された。
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© 2005 日本地球化学会
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