抄録
海水中の希土類元素同位体比は水塊ごとに固有の値を持つ。そのため、ネオジムについて水塊の化学トレーサーとして用いられてきた。本研究では新たにセリウム同位体比の測定法を開発し、南極海と太平洋赤道域においてセリウム同位体比を測定した。セリウムはネオジムよりも平均滞留時間が短いため、海洋においてより不均一な分布を示すと予想されており、ネオジムよりも詳細な水塊の動きを捉える可能性を持っている。また、ネオジムに関してもこれまでデータの乏しかった南太平洋において、西経170度線上に沿って詳細な観測を行った。