抄録
Very low Ti mare basaltに分類される月隕石の中で、EET87521、EET96008、Y981031、Y793274 、QUE94281の五つの隕石は、宇宙照射年代や鉱物学的/地球化学的特徴から、一回のインパクトによって月を飛び出したという仮説が提唱されている(Arai rt al. 1996)。一方、現在報告されているこれらの隕石の形成年代は、EET隕石が3.5~3.6Gaなのに対し、QUE隕石は3.8Ga、Yamato隕石は4.0Ga及び4.4Gaであり、年代学的にはこのシナリオを支持しない(但し、後者のQUEとYamato隕石は全岩分析)。そこで本研究では、高感度2次イオン質量分析計SHRIMPを用いてこれらのbreccia隕石のリン酸塩鉱物の形成年代を精査し、それぞれの熱履歴について比較/再検討する。