抄録
大気中に存在するC2-C5非メタン炭化水素(NMHCs)は対流圏オゾン、有機硝酸、アルデヒド、ケトン、有機酸等の主要な前駆体であり、対流圏大気の化学を把握するためにはC2-C5 NMHCsの分布を明らかにすることが重要である。外洋大気中におけるC2-C5 NMHCsの物質収支は主に陸上人為発生源からの輸送によって占められていると考えられているが、本研究では海洋からのNMHCsの放出が大気中の分布に大きな寄与を持つ可能性があることを炭素安定同位体比計測から明らかにした。発表では、西部北太平洋における洋上大気中エタン、プロパンの観測結果から炭素安定同位体比を基に大気中エタン、プロパンへの海洋起源の寄与について定量的に議論を行う。