抄録
大和川は奈良県と大阪府を流れる一級河川で,全国でもっとも汚濁の進んだ河川の一つである。私たちは,大阪市立自然史博物館友の会が行った大和川水系の自然に関する一斉調査の一環として,2002年秋から2004年夏まで,季節ごとに100~150地点で同時採水と一般水質分析を行うことで,水系全体の富栄養化の現状を明らかにした。また,2005年夏に採水した試料に関しては,イオウと窒素の安定同位体比を測定し,汚染物質を考察した,その結果,水質は降水量と植物プランクトンに大きな影響を受けていること,人口密集地で水質の富栄養化が広がっていることなどが明らかになった。本講演では,小学生からお年寄りまで参加した水質調査の方法と,結果について報告する。