抄録
これまで大気エアロゾルや海底堆積物に産する硫化物の硫黄同位体組成を指標にして、大気や海洋における硫黄循環に関して重要な情報が得られてきた。しかし、こうした試料の中には直径数ミクロン程度の微小な粒子が多数存在する。こうした微小粒子の一粒一粒の硫黄同位体比や結晶内の硫黄同位体分布が測定できれば、大気や海洋における硫黄循環に関して新しい情報が得られる可能性が高い。しかし、これまでの研究では技術的な問題によりこうした超微小粒子の個々の硫黄同位体比の測定は困難であった。そこで本研究では二次イオン質量分析計Nano-SIMSを用いて、直径数ミクロンの極微小領域における硫黄同位体比の高精度測定法を確立し、天然の試料に適した。