抄録
富山県の立山で、9月から10月にかけて、標高650 mから2450 mにかけて、標高差200 mから400 m毎に降水を採取し、その海塩成分や酸性成分(硝酸イオンと非海塩性硫酸イオン)濃度とその存在比について検討した結果、各成分濃度には標高が高くなるにつれて濃度が低下する高度効果が見られた。また、硝酸イオンと非海塩性硫酸イオンとの間の存在比を示す硝酸寄与比の値にも高度効果が見られ、上空に行くほど硝酸イオンの存在比率が低下した。また、霧水中の硝酸寄与比の値は同じ地点で採取した降水のそれよりも高く、降水の化学組成には観測点位置よりもかなり高い位置のエーロゾル情報を含んでいることを示唆していた。これらから、高山域の降水と霧水の化学組成を詳細に検討することにより、上空のエーロゾルの化学組成を推定できる可能性がある。