抄録
衛星観測から得られた二酸化窒素(NO2)の対流圏カラムデータを定量的に解析するには限界がある。これは東アジアの都市域で衛星と独立に行われた観測が皆無であり、衛星観測の検証が不十分であるからである。我々はそのような独立観測を2005年2月に横須賀市で行った。観測手法としてMAX-DOAS法(多角度-差分吸収法)を採用した。地上に設置した分光器で測定された太陽散乱光の可視域のスペクトルを非線形最小二乗法と放射伝達モデルを組み合わせて解析し、NO2の対流圏カラムと高度分布を導出した。同時に、我々の手法は477 nm付近のエアロゾルの光学的厚み(AOD)と対流圏下部の消散係数の高度分布も導出できることが分かった。詳細な誤差解析を行ったところ、NO2とAODの誤差はそれぞれ9%, 57%と小さいことが分かった。このようにMAX-DOAS観測は衛星観測を検証するだけでなく、大気質変動をより系統的に理解する為に役立つ。