抄録
伊勢湾並びに大阪湾海底堆積部中の微量元素等を中性子放射化分析を用いて定量し、それらの値を使って特にランタノイド元素、Th、U等の堆積物中における挙動を把握し、伊勢湾並びに大阪湾海底堆積物の起源及び堆積環境を解明することを目的とした。その結果、1.両湾共に西日本の地質を反映しており、2.大阪湾はCeの正のアノマリーを示し、伊勢湾はアノマリーを示さなかった。従って、大阪湾は生物起源物質など陸起源物質以外の影響をより強く受けていることが示唆され、3.Ce/U比-Th/U比の相関より、大阪湾堆積物の表層は伊勢湾堆積物に比べてより強い還元環境下にあることが分かった。ただし、大阪湾堆積物は、下層の方が表層に比べてより酸化環境下にあり、逆に伊勢湾堆積物は、下層の方が表層に比べより還元環境下にあることが明らかとなった。