抄録
隕石中の26Al含有量を測定することにより,南極隕石の落下頻度の時間変化,ペアリング,氷床の年代などの情報源を得ることができる.本研究では,南極隕石の落下頻度の時間変化に着目することにした.南極隕石は,限られた地域で多くの隕石が発見されているため,落下頻度の時間変化を求めるために適した試料だといえる.ここでは,非破壊で測定できる超低バックグラウンドγ線測定法と, AMS(加速器質量分析)法を用いた,隕石中26Al含有量の測定法を報告する.前者は非破壊だが,測定に4‐6ヶ月かかる.後者は破壊法であるが,短時間で測定できる.両測定法を用いることにより,少しでも多くの隕石中26Al含有量を得ることができる.