抄録
本研究では濃度調整した鉛とウランを含む培地で酵母を育て、鉛とウランが酵母の生育にどのような影響を与えるか比較検討した。1 × 10-5または1 × 10-4 M濃度の鉛を含む培地で酵母を生育したが、1 × 10-3 M濃度の鉛を含む培地では生育しなかった。一方、1 × 10-4と1 × 10-3 M濃度のウランを含む培地では酵母は育たない。これらの結果は、酵母の成長に対してウランは鉛より阻害効果が高いこと、鉛とウランは異なる様式で酵母の成長を阻害することが示唆された。1×10-4 M濃度の天然ウランを含む培地で酵母は生育しないが、それと同程度のα放射能量をもつ233Uを含む培地で酵母は生育する。これらの結果から、1×10-4 M濃度の鉛とウランの化学毒性は酵母の生育に影響せず、ウランの放射能だけが影響していると考えられる。発表では、SEMとEDS解析や二次元電気泳動分析の結果についても詳しく考察する。