抄録
私は、古細菌の脂質の構造と生合成を専門にこの30年間研究してきた。地球科学はまったく素人であるが、古細菌を研究していると必然的に超好熱古細菌と熱水鉱床とプレートテクトニクスの関係、高度好塩菌と塩湖と地溝帯の関係など地球科学との関連に気づかされる。海底堆積物中の脂質分析により、古細菌脂質あるいはその類似物質が発見されている。残存物から何らかの議論をする場合、そのもののintactな状態を正確に知っておく必要があるだろう。その意味で生きた古細菌の脂質に関する構造、生合成などの最新の情報を提供し、地球化学専門の皆様の参考にしていただきたいと思う。<参考文献>[1] Koga, Y., and H. Morii. 2005. Recent advances in structural research on ether lipids from archaea including comparative and physiological aspects. Bioscience Biotechnology and Biochemistry 69:2019-2034.[2] Koga, Y., and H. Morii. 2007. Biosynthesis of ether-type polar lipids in Archaea and evolutionary considerations. Microbiology and Molecular Biology Reviews 71: 97-120.