抄録
日本列島には毎年大量の黄砂が飛来する。黄砂は地球表層において大量の物質を輸送する現象であるが、その物質循環への寄与について十分な検討がいまだなされていない。我々は、陸上へ飛来した黄砂が植物の影響を受けることで黄砂中のケイ酸塩鉱物が分解しやすい形態へ移行、または溶解後植物に吸収されることをポット実験によって実験的に証明した。本研究では、土壌の化学形態別分画の結果を解析し、植物の風化に与える影響の総合的理解を目指した。ポット実験で使用した土壌に化学形態別分画抽出処理を行い、主要金属元素をICP-AESで定量分析した。その結果、植物を栽培していない場合と栽培した場合とで各画分の存在量に変化があり、これらの変化は、ケイ酸塩鉱物が植物により風化された後の元素の移動性に影響するものと考えられる。