抄録
【目的】化学成分の種類及び濃度は、生態系に多大な影響を及ぼすと推察される。そこで本研究では淀川および、神崎川水系、琵琶湖への流入河川を対象に、2007から2009年にかけての一般水質項目の広域分布と季節ごとの濃度変化について調査した。【実験方法】河川試料は原則的に河川の流心において、バケツにより採取し、ポリビンに保存した。陰イオン成分はイオンクロマトグラフ法にて分析した。アルカリ度は滴定法により分析した。Na+およびK+はフレーム原子吸光分析法にて分析した。Ca2+およびMg2+はEDTA(エチレンジアミン四酢酸)を用いたキレート滴定法にて分析した。【結果】各イオン濃度の経年変化については、降水量の少ない冬季では比較的濃度が高く、逆に降水量の多い5月では濃度が低い傾向を示した。Cl-,Na+は生活排水や下水処理水の含まれる地域で高い濃度を示した。【考察】各イオン濃度は、降水量の増減による雨水の希釈によって濃度が変化したと考える。Cl-,Na+が生活排水や下水処理水の含まれる地域で高い濃度を示したのは、生活排水に含まれる食塩や化学調味料によるものと考える。