抄録
過去の気候変動を知るためにそれぞれの時代における大気循環システムの再現は重要な課題である。それを調べるため、過去の風送塵が研究されてきた。風送堆積物中の石英のE1’中心の信号強度によって示される酸素空孔量(Toyoda and Ikeya, 1991)の測定から、最終氷期と完新世とでその起源が異なることが報告された(成瀬他1997; Ono et al., 1998; Toyoda and Naruse 2002)。この後、石英中の酸素空孔量に加え、石英の結晶化度を指標として日本海堆積物の起源地の変動と気候変動との相関について議論された (Nagashima et al., 2007)。一方、石英中にはE1’中心のほかに不純物中心も観測される。今回、これまで用いられてきた指標に加えて不純物中心を用いる可能性について検討した。