抄録
これまで地球化学的データの報告が無い,いわゆる,中央インド洋中央海嶺のデータの空白地域であるセグメント16B, 17および18の玄武岩質急冷ガラスの全岩化学組成を今回新たに求めた.その結果,MORB組成のアルカリ元素および液相濃集元素の濃集度はセグメント16Bのドード溶岩平原(特異的にマグマ生産量が大きい)をピークに北方につれ減少する傾向が見られ,少なくとも南緯15°の中央海嶺軸まで液相濃集元素に富む傾向が見られた.最も富んだMORB組成はモーリシャス島の第四紀玄武岩類(Yonger Series; Nohda et al., 2005)と類似しており,レユニオンからのマントルプルームのジェット流は,Morgan (1981)が推定したようなロドリゲス・リッジに沿った局域ではなく,レユニオンを原点とした,より幅の広い扇状に南北に拡散しながら海洋リソスフェア下を広がっているのかもしれない.