抄録
年平均気温が-50℃以下になる南極内陸地域はほぼすべての主要な水溶性エアロゾル塩が固体として存在するため、南極内陸の氷床コアは水溶性エアロゾルの良い保存媒体となる。発表者らは南極ドームふじで採取された氷コアを-50℃環境で昇華させ、残渣の不揮発性粒子の元素組成を分析した。その結果、不溶性粒子の99%にはSiが含まれ、主にシリカ鉱物であること、水溶性粒子のほとんどにはS、Clが含まれ、それぞれ硫酸塩や塩化物塩であることが示唆された。また、最近の氷期-間氷期サイクルにおける水溶性エアロゾルは、1)間氷期や氷期初期の硫酸ナトリウムが水溶性エアロゾルの主成分でエアロゾル濃度の低い時期、2)氷期中期の硫酸カルシウムが主成分で濃度の低い時期、3)氷期末期の硫酸カルシウムが主成分で濃度の高い時期という周期的な変遷をしていることが示唆された。