抄録
2010年後半の打ち上げを目指す火星複合探査の検討がスタートしている。この探査計画では、着陸機や周回機に観測装置を搭載し火星の大気散逸、気象、表層、内部構造に関する様々な問題の解明に取り組む。我々は、地球化学・地質学・鉱物学的研究を行うための質量分析計を着陸機に搭載すること、および次のような科学目標を提案している:(1)火星下層大気の希ガス同位体分析から火星大気進化を明らかにする、(2)大気組成の季節変化からCO2, H2O等の地表物質とのやり取りやその素過程を調べる、(3)火成岩K-Ar年代測定から火山活動や脱ガス史の制約を与える、(4)地表ダスト成分分析・同位体分析により大気-地表相互作用や環境変動を解明する。これらの科学的意義や検討状況について報告を行う。