抄録
日本の河川水の研究において、岩石及び堆積物と水質の関係について調査を行っている研究例はほぼない。そのため、本研究では、大井川と天竜川を対象として、主として水-岩石反応の点から、大井川・天竜川の水質を比較・検討した。大井川・天竜川は静岡県を流れる大きな河川であり、この大井川・天竜川の間には中央構造線が走っている。中央構造線とは西南日本の北側と南側の境界をなす日本最大級の構造線であり、中央構造線を境界として大きく地質が異なる。このため、大井川・天竜川の地質が大きく異なり、存在する岩石・堆積物も異なり、水質にも違いが出ると考えられる。