抄録
ハロゲン元素は岩石の成因や変質の過程を調べる上で興味が持たれている。しかし、岩石中のハロゲン元素の濃度は微量のため、分析データが少ない。また、標準岩石試料についての報告例も不足しており、分析機関によってバラつきが大きいものが多い。そこで本研究では、加熱分離法を用いて岩石試料中のCl、Br、I濃度の分離及び分析法の検討を行った。本研究で用いる加熱分離法は、ハロゲン元素が揮発しやすく、水に溶けやすい性質を利用し、水蒸気を含んだ酸素気流中で試料を加熱し、分離するものである。なお、Clの測定はイオンクロマト(IC)を用い、BrとIは濃度が低いためICP質量分析器(ICP-MS)で測定を行った。