抄録
大気中の二酸化炭素は,近年急速に増加していることが観測の結果明らかとなっており,地球温暖化を促進する気体の一つとして,増加の抑制が世界規模で討議されているところである.大気中の二酸化炭素の増加は,二酸化炭素濃度の直接的測定で明らかにできるが,また,植物に固定された炭素の14C濃度を測定することで,Suess効果(化石燃料の消費により大気中に放出される,14Cを含まない二酸化炭素による大気中二酸化炭素濃度の希釈効果)として検出される.ここでは,2005, 2008, 2009年に名古屋大学東山キャンパス内で形成された松葉試料を中心に,環境14C濃度の経年変動や場所依存性を議論する.