抄録
ウラン同位体比(235U / 238U)は、天然ではほとんど変動しないため、環境試料中に見出されるウラン同位体比の変動は人為的な核活動の影響である。本研究では、日本においてグローバルフォールアウトの影響が大きい事が知られている秋田に注目し、1977年各月の降下物試料のウラン同位体比を求めた。その結果、夏季の大気降下物の酸可溶性部分の235U / 238U比が数‰ほど劣化ウラン側に偏る値を示し、ウラン同位体比に季節変動が認められた。この値に対し、酸不溶性部分はほぼ天然比を示したことから、劣化ウランの混入は二次粒子に起因することが示唆され、劣化ウランがグローバルフォールアウトにより国内大気降下物に付加されたことが考えられた。劣化ウランの起源は未だ不明であるが、これを特定することが今後の研究の課題である。