2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18173
一般的に波浪観測は,海底設置型海象計や沖合の円筒型ブイによるRTK-GPS海象計等によって実施されている.ブイ式RTK-GPS測位では陸上基地局とブイ観測局の基線長が最大で20km程度までとされているため,沖波水深での波浪観測には十分な水深を確保できないこともある.ここでは,和歌山県白浜沖海域において,GPSに準天頂衛星みちびきを加えてRTK-GNSS化したブイ式海象計の実証試験を行った.測位精度を低下させることなく基線長を30kmに拡張でき,沖波の観測の可能性が広がることが確認された.また,一部の項目で課題が見つかったものの,GNSS化によって,波浪観測の稼働率や測位品質が改善できることが確認された.