抄録
野母崎半島北東部・茂木の近辺のスラスト近傍に小規模な花崗岩質岩塊が確認されていた。
この岩塊について、極地研究所のSHRIMP IIでジルコンのU-Pb年代を測定した。その結果は、その荷重平均は117.0 ±0.4 Maを示した。この年代は花崗岩質岩の形成年代と考えられ、その産状からスラストに混じりこんだ構造岩塊と考える方が自然である。また、110-120 Maのジルコン年代を示す花崗岩質岩は西南日本では稀であり、現在までに肥後帯・宮の原岩類からしか報告されていない。年代的側面からも、この構造岩塊が肥後帯に帰属する可能性は高いと考えられる。