抄録
本研究では約12万年前の南極ドームFujiコアの切削氷(氷の削りカス)を用いて宇宙塵の降下量を求めた.この切削氷からは30μm以上の宇宙塵は確認できないが、宇宙塵は常に降下しているので,30μm未満の宇宙塵として存在する可能性を考え、微小な宇宙塵が付着していると考えられるフィルターごとINAA(機器中性子放射化分析)で化学分析し、宇宙塵に特徴的なIrの濃度に基づいて地球への降下量を求めた。結果(0.12±0.03)×106 kg/yrと推定された。この降下量は南極裸氷帯で推定された年代約3万年前で(16±9.1) ×106kg/yrよりも100倍少ない。しかし6千年から1万年前のGreenland Ice Project2のコアを用いた約20μm以下の降下量は約(0.32±0.21)×106 kg/yrとなり,本研究と近い値であった