湖水成分の季節変化や経年変化を調べるために、湖水中微量元素(Al, P, V, Cr, Mn, Fe, Ni, Cu, Zn, As, Mo, W, U)を溶存態成分と酸可溶態に分けて濃度測定を行った。2007年は溶存酸素濃度が底層で非常に低くなり、これに伴ってMn酸化物が高濃度で検出された。同時に粒子態の増加が見られたZn, Mo, UはMn酸化物への吸着が原因と考えられた。またV, W, Uは溶存態で季節変化が見られ、表層では夏期にかけて濃度が増加しそれ以降は減少、深層では冬期まで減少し続けた。夏期には表層でpHが8を超えることから、湖岸懸濁粒子からのV, W, U溶出が表層での増加につながったと考えられた。