抄録
二枚貝類は,炭酸塩で形成された骨格を持つ.この炭酸塩骨格の安定同位体比や微量元素は,周囲の環境の影響を受けていることが多く,骨格形成時の環境を記録していることが知られている(Urey, 1947).
本研究では,炭酸塩殻のSr/Ca比は何に影響を受けて変化しているのかについて検討を行うことを目的とし,霞ヶ浦で養殖された3個体の淡水二枚貝イケチョウガイを試料(KGU-01, 11, 12)として,δ18OとSr/Ca比について分析を行った.
イケチョウガイの炭酸塩殻のδ18Oは周囲の環境変化を鋭敏に記録し,個体差は小さいと考えられる.また,Sr/Ca比は水温によってではなく,成長速度によって強く影響を受けて変動していると考えられる.