日本地球化学会年会要旨集
2012年度日本地球化学会第59回年会講演要旨集
セッションID: 1A07
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G13 海洋化学・大気水圏(全般)
海洋酸性化が微生物群集組成および機能に与える影響―2.植物プランクトン群集組成
*井上 幸樹鈴木 莉紗柏崎 啓人和田 茂樹緑川 貴石井 雅男笹野 大輔小杉 如央濱 健夫
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抄録
近年、大気CO2 濃度の上昇とそれに伴う海洋CO2の増加によって海洋酸性化が生じており、海洋の生態系や物質循環に対する影響が懸念されている。植物プランクトンは海洋生態系を支える主要な生産者であり、植物プランクトン群集への酸性化の影響は海洋全体に大きな影響を及ぼす可能性がある。そこで本研究では、自然群集培養実験により、海洋酸性化が植物プランクトン群集へ及ぼす影響を調査した。
フローサイトメトリーと高速液体クロマトグラフィーを用いた指標色素分析の結果、実験終盤において、酸性化条件下では大きさ2?m以下のピコ植物プランクトンの割合が増加する傾向や、条件による指標色素組成の違いが確認された。これらの結果は、酸性化により植物プランクトン群集組成が変化する可能性を示すとともに、群集のサイズ組成が変化し、海洋の物質循環にも影響が生じる可能性を示唆している。
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© 2012 日本地球化学会
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