抄録
我々は微生物群集に対する海洋酸性化の影響を評価するため、大型培養系を用いた評価を実施した。沿岸海水を6基の500L水槽に移し、二酸化炭素分圧を400ppm、800ppm、および1200ppmに調整した空気を通気した。二酸化炭素分圧とpHを安定させた後、栄養塩を添加し、約1ヶ月間培養を行った。一次生産速度を測定するため、採取した海水にトレーサー(13C-NaHCO3)を添加し培養した。
生産速度およびChl.aあたりの生産速度は1200ppmの条件下で低くなる傾向が見られた。海水中の二酸化炭素分圧の上昇は一般的に光合成活性を増加させると考えられているが(Doney et al., 2009)、本実験ではその様な傾向は認められなかった。本実験では条件により植物プランクトン群集組成の変化も認められており、本結果は海洋酸性化に対する光合成活性の応答が植物プランクトングループにより異なる可能性を反映しているものと思われる。