抄録
一酸化二窒素は温室効果ガスであり、オゾン層破壊に関与している。N2O全体の21%を占める海洋起源のN2Oの見積もり量は3.8TgNyr-1であり、見積もり幅は1.8-5.8 TgNyr-1と広い値を持っている。この不確定性の原因として海洋微生物によるN2Oの生成消費メカニズムの複雑さが考えられる。そこで我々は、N2Oの生成消費メカニズムの定量的解明のために、海洋生態系モデルにN2Oの生成プロセスおよびトレサーとして窒素安定同位体を導入した。このモデルを西部北太平洋域に適用し、海水の同位体測定から得られたδ15NおよびSP値と比較分析を行うことで実環境における同位体分別の再現と生成フラックスの見積もりを行った。