抄録
日本海は大陸や半島に囲まれた閉鎖的な縁海であり、海水交換は対馬海峡など比較的浅い海峡を通じて行われている。また冬季にはシベリア寒気団の影響により、高密度の表層海水が形成して深層に沈み込むことで、日本海特有の深層循環が生じていることが知られている。これまでの研究では日本海の溶存酸素(Gamo et al., 2011)、全炭酸 (C.T.A. Chen et al., 1999)、トリチウム (Gamo et al., 2001) などの経年比較がされている。その中では日本海底層における溶存酸素濃度の低下などが報告されている。しかし、生物活動と関わりがある成分(栄養塩や微量元素など)の経年比較に関する報告例は少ない。本研究では1984 年、1998 年および2010 年に日本海で採取した海水試料中の微量重金属濃度の経年比較を行った。