抄録
しんかい6500潜航の際に、パラオ海溝陸側斜面の水深6500mの海底に巨大な石灰岩岩体を発見した。この石灰岩岩体は、炭酸塩補償深度(CCD)以深に分布している。石灰岩露頭近傍の海水の溶存無機炭素のAMS-14C測定の結果は、Δ14C値にして?295‰を示した。この値は、深海の溶存無機炭素のΔ14C値よりも低い。この低いΔ14C値の原因は、CCD以深での石灰岩露頭からの炭酸塩の溶解によって近傍の海水に14Cを含まない炭酸イオンが供給されたことによるものであり、局所的ではあるが、深海への炭素供給の実態を示すものである。