抄録
日本海直江津沖海鷹海脚および上越海丘メタン湧出海域で実施された“なつしま”NT-06-19航海において、ハイパードルフィンを用いて行なった潜水調査によって採取した16本の堆積物コア(push core)について、無機有機地球化学的分析を行なった。分析項目は、間隙水中のメタン濃度と炭素同位体組成、堆積物中の全硫黄量(TS)、元素硫黄量(S0)とそれぞれの硫黄同位体組成、全有機炭素量(TOC)、メタン酸化古細菌(ANME)起源バイオマーカー濃度と個別炭素同位体組成、である。分析結果を用いて、メタン湧出点におけるメタン酸化古細菌と硫酸還元菌の活動をバイオマーカーから推定し、メタン酸化に伴う硫酸還元によって海水中の硫酸イオンから形成された硫黄化合物の硫黄同位体組成の特徴について議論を行なった。