抄録
鉄呼吸微生物は、環境中において不溶性の三価鉄を還元し、生態学的に重要な二価鉄イオンを生成していると考えられる。しかし、鉄呼吸微生物が一般的に利用しにくい不溶性の三価鉄をどのように還元しているかは十分に明らかにされていない。本研究では、水田土壌より鉄呼吸微生物を単離し、単離した微生物を用いて不溶性鉄酸化物の還元について調べた。単離した菌はClostridium属であり鉄呼吸能を有することがわかった。さらに、最終電子受容体としてマグネタイトを使用し、還元することがわかった。また、細胞外電子シャトルとしての役割を有すると考えられているフミン酸の添加によりマグネタイトの還元が促進されることがわかった。