抄録
地下環境における風化過程での元素挙動の詳細を明らかにするため、河岸段丘堆積物中の砂岩礫・玄武岩礫を対象として、主成分・微量元素の定量分析を行った。玄武岩礫ではSiO2の大規模な溶解が観察されたことから、アルカリ性環境下での風化プロセスの存在が推察された。
このアルカリ性環境は、堆積直後の礫が地下水位以下に存在し、滞留時間の長い間隙水に晒されることで成立したと考えられる。このとき間隙水はFe(II)を酸化することで還元的になっただろう。河岸段丘の隆起に伴って堆積物が地下水位より高い位置に達すると、間隙水はその滞留時間を急激に短くし、酸化的かつ酸性の状態を維持しながら各元素を酸化・溶解したと考えられる。