抄録
地球内部には水が存在していると考えられている。地球深部における水の存在は、岩石の融点を下げたり、岩石の強度を低下させるなど火山、地震活動といった多くの現象に大きな役割を果たしている。つまり、地球内部の水の量を定量的に求めること、存在形態に関する正確な知識は、地球深部のダイナミクスを知るうえで非常に本質となる情報である。水に敏感であると考えられ、広域的に観測可能な物性が電気伝導度である。水が存在することによって起こる地震波速度の減少幅は、多くの場合数%オーダー以下であるが、電気伝導度は圧倒的に導電物質に支配されるので、水に多くのイオンが溶け込んでいる場合は、絶縁物質である固相岩石に比較すると、ときには10桁以上の差を生み出す。したがって、地球深部に少量の水が存在している場合でも、我々は電気伝導度異常を見いだすことにより、地球深部の水の分布をマッピングすることができる可能性が十分にある。本講演では、地球深部条件で含水系の電気伝導度測定に基づき、水の存在形態を議論する。