抄録
カムチャツカ弧南部の火山フロントに位置するアバチャ火山には多量のかんらん岩捕獲岩が産し,それらはメルト/流体によって様々な程度に改変されている(例えば,Ishimaruほか,2007,J Petrol; Ionov,2010,J Petrol)。主に観察される改変作用は,かんらん石を置換する斜方輝石(opx II)の形成過程であるが,その斜方輝石の化学組成や共存する相により,放射状の集合体を形成し希土類元素に乏しいopx II-1と,自形~半自形で粒間充填的な珪長質ガラスや角閃石を伴うopx II-2の2種類に大別できる(Ishimaruほか,2007)。アバチャ火山のかんらん岩捕獲岩中には,含まれるopx IIの量やそのタイプによらず多量のH2O包有物が観察される。本研究では,それらH2O包有物についてマイクロサーモメトリー法によって決定したH2O氷またはクラスレートの溶融温度から塩濃度を算出した。その結果について,予察的検討をおこなった。