抄録
氷床拡大期の気候変動を千年スケールで解析するため,北大西洋IODP U1314の約250-255万年前の堆積物コア中の石灰質ナンノ化石群集,漂流岩屑堆積物(IRD)量,有機炭素(TOC)量及びその同位体値を測定した。石灰質ナンノ化石の総上部種数とIRD量は,逆相関で数千年スケールの変動を示す。TOC量はIRD量と正相関で変動し,その炭素同位体値は約-22‰から-25‰の間を数千年スケールで変動する。これらの変動関係は,同海域の現在から約100万年前までの堆積物コア(IODP U1308)で得られた数万年周期の相関関係と同様である。これらの結果に基づき,氷床拡大期のミレニアム変動を報告する。