抄録
初期地球の熱水系、中でも脱水環境を想定した条件下で 、粘土鉱物がアミノ酸の合成に寄与した可能性を検討する事を目的として実験を行った。pHを3、8、12に調整した100m M/Lのグリシン溶液とサポナイトを混合、攪拌し、粘土を洗浄せずに真空乾燥した後ガラス管に入れて150℃で72時間加熱した。加熱終了後、粘土中のペプチド量をHPLCにて測定した。その結果、酸性、弱アルカリ性ではDKP、アルカリ性ではGlyGlyが生成される割合が大きい事が分かった。また、DKPが多く生成されているときにGlyGlyGlyも多く生成されていた。酸性~弱アルカリ性の環境下で粘土鉱物に吸着されたアミノ酸が、堆積物の脱水作用に伴い水の乏しい条件下で重合しやすいことが示唆される。