抄録
本研究では普通コンドライトに含まれるFe-Ni相及びトロイライト相を液中レーザーアブレーション法(LAL法)を用いてサンプリングし、その鉄同位体比をMC-ICPMSにより測定した。その結果、鉄同位体比(56Fe/54Fe)は、トロイライト相<コンドリュール<Fe-Ni相 の順であることがわかった。また、⊿δ56Femetal-silicate及び⊿δ56Fetroilite-silicateの値から、Type 4-6の普通コンドライトがmetal-silicate-troilite間で鉄同位体比の平衡に達しているのに対して、Type 3では完全な平衡に達していないことがわかった。これは、Type 3の普通コンドライトの鉄同位体比が、母天体での変成作用を受ける前の、各構成物質形成時の情報を保持している可能性を示唆するものである。