抄録
気液平衡にある純水においては、気相と液相で同位体組成が異なり、液相に重い同位体種であるD、18Oが多く含まれ、これを水の蒸気圧同位体効果と呼ぶ。これに塩化ナトリウムなどの電解質を加えると同位体分別の方向は変化しないが、その程度が変化することが報告されている。これは、溶質イオンと水分子の相互作用が同位体効果に影響を及ぼしていることを示している。本研究は水の蒸気圧同位体効果に対する塩の添加効果を分子軌道(MO)計算に基づき理論的に解析し、実験値との比較を行った。結果として、定量的な一致には到っていないが、定性的には実験値が再現されていると考えられる。